2014年2月2日日曜日

終えて

昔、柏原の冬はどこの家の納屋からも「トントン、トントン」と藁を叩く音が聞こえてきたそうです。
冬の間の手仕事、藁草履つくり。
主におばあちゃんの仕事だったそうですが、子供も一年分の草履を編んだそう。
大体一ヶ月もつそうで、学校の上履き用、下履き用、そして家族の人数分と、
けっこうな数を作ったそうです。

そういった風景も、足袋ができてゴム草履ができて、次第になくなっていきました。
今回講師をしてくださった谷村柏原区長さんも、実に60年ぶりの草履つくりだったそうです。
「ああだったかな、こうだったかな」と思い出しながらおこなう作業もあり、
皆で和気あいあいと草履を作りました。

制作途中でできた藁のくずで草履を磨くことであったり、
そもそも米をいただいた後の「草」で草履を作るという発想に唸りました。
こうやって作った物は大事にする気持が芽生えるのではないか、
そうやってできたことを知っている人は他人の物も大事にしたのではないか、
そして、米と草履とそれに関わる自身そのものが
「授かりもの」であると躯で知っていたのではないかと想像します。

あまりにオカネの価値が肥大化してしまった現代において、
「ヒト・モノ・コト」の有機化や繋ぎ直し、といったことを腕組みしながら考えているよりも、
ヒトを集め、コトを起こし、モノに触れる体験をしてしまうこと、
そこには楽しく豊かな「ヒト・モノ・コト」の間がありました。


開催を知って餅米の藁を提供してくださった住民の方、
参加して下さった皆様、
日々柏原の行く末に尽力し未熟なぼくたちに助言をくださる谷村柏原区長、
ありがとうございました。

参加者 9名



下準備:藁打ち
藁をなめらかにします 

区長お手製の編み補助機


自分で作った草履を持って

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